遺言が必要な人

昨夜は、研修会でした。
公証人の先生が講師で、テーマは遺言公正証書について。

遺言への関心の高まりで、会場は急遽、大きなホールに
変更。あまりの、大観衆に、公証人の先生も最初、
緊張されているようでした。

遺言作成の必要性が特に高いケースが、
講義でも触れられました。そんなケースのなかで、
私が選んだ遺言が必要な人ベスト1は、
「子どものいない夫婦」かと思います。

仮に、夫が死亡します。
妻は、常に相続人です。では、子どもがいないとき、
妻以外の相続人には、誰がなるのか?

まず、夫の両親が生存していれば、妻が2/3と
両親が1/3相続します。

そして、両親がすでに死亡していて、夫の兄弟が
いる場合、妻が3/4と兄弟が1/4相続します。
兄弟が何人かいれば、1/4を分け合います。
なお、夫の兄弟が、夫の死亡の前に死亡していた
場合、夫の兄弟に子どもがいた場合は、その子が
兄弟の代わりに相続人となります。
(なんか、ややこしいですね)

特に、この妻と夫の兄弟が相続人になるケースは、
遺言があることで、かなり残された妻は、苦労しなくて
すみます。

遺産が、自宅と預金とします。自宅は、まだ住宅ローンが
のこっています。

住宅ローンは、たいてい生命保険が、セットされているので、
これで、ローンは完済されます。

預金は、相続割合で、分けたとします。お金だから
分けるのは簡単ですね。
問題は、自宅です。遺産分けの話し合いを、
遺産分割協議と呼んでいますが、兄弟が、
自宅の権利はいらないよと、すんなり言ってくれれば、
遺言がなくても、苦労はありません。

しかし、妻からすると、この協議自体が、なかなか
切り出せないこともありますし、はっきりと兄弟が
権利を主張することもあるでしょう。となると、
自宅の名義が、妻と兄弟の共同名義ということになります。

共同名義でも、差し当たり妻が住むには支障はなさそうです。
でも、兄弟にも、1/4の権利があるので、権利分住みたい
なんていうことは、あまりなさそうですが、権利分をお金で
引き取ってくれなんてことは十分ありえます。

兄弟だって、自宅の1/4より、お金のほうがよいに決まっています。
このお金がすんなり用意できれば、まだよいほうですが、
へたをすると最悪、自宅を売却して、お金を分け合うなんて
こともおこりえます。

もっと最悪は、この兄弟がお金に困っていたとします。
兄弟は、この1/4の権利を担保に、お金を借りることも
ありえます。世の中には、いろんな商売の人がいます。
銀行であれば、1/4を担保にお金を貸すことは、まずないでしょうが、
こんなんでも貸す人がいるんです。そして、その兄弟が
やがてお金を返せなくなると、1/4が競売にかけられます。
いや、でもさすがに、1/4を競売で落とす人なんていないと、
普通思います。使い道ないですもんね。でも、やっぱり、落とす人が
います。ここまでくるとかなり、最悪な状態です。
妻になんら落ち度がないにも関わらずこんなことに
巻き込まれます。

夫が、遺言で、財産すべてを妻に相続させると書いておいて
くれれば、こんなことにはなりません。
兄弟には、法律で認められた、最低保障相続分の遺留分と
いうものがないので、全財産妻に与えても、兄弟からは、
文句がいえないのです。

ベスト1に選んだわけ、おわかりいただけたでしょうか

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