支店所在場所への本店移転

会社の本店を支店所在場所へ移転する登記手続きは、
私にとっては、稀な依頼である。
なお、所在場所と言えば、具体的な住所を指し、
所在地と言えば、大阪市といった感じで、エリアを指すことになる。

本来、会社は、支店を設けたなら、支店設置の登記が義務付けられている。
しかしながら、現実には中小企業で支店登記をきちんとしている
会社は少ない。

よくお尋ねを受けるのが、
「支店を出したが登記しないといけないのか」
つまり、必要性がなければ、登記せずに済ませたいという意向。
同様に「支店ではないが、出張所を出したが、これは、支店では、
ないから、登記しなくていいですよね」
同じような意向。

お答として、支店、出張所の名称の問題ではなく、
独立した営業の拠点であるなら、登記が必要と申し上げるしかない。

支店所在場所へ本店を移転するとなると
いくらオンライン申請しても、結構、登記手続き完了まで、時間がかかる。

今回、依頼のあった会社の社長には、事前に、手順等をご説明
しておいたが、私の説明不足なのか、どうも、話が通じていなかった。

前もって、登記手続きができると思い込みを持たれている。
ここがどうも、クリアできない。
11月30日に本店移転され、同じ日をもって支店を廃止される。
さっき、お電話があり、そろそろ登記申請して欲しいと言われたが、
登記申請は、現実に移転する日以降でないと、できない、と再度お答えした。

取引先に、移転の挨拶も出すし、銀行にも届け出したいから、
急ぐんで、11月30日までには、登記を完了させたいとおっしゃる。

大阪市内で、本店を移転するなら、昨今の状況なら、
11月30日に申請して、早ければ、即日登記完了となることもありえる。

でも、今回は、大阪市から東京都への移転だから、そうはいかない。

段取りとして、大阪法務局へ、大阪分と東京分の2件の書類を
提出する。
大阪法務局で審査後、東京分の書類を大阪法務局が東京法務局へ送ってくれる。
東京法務局の審査が完了して、本店移転登記が完了となる。

そして、すぐさま、支店廃止の登記を東京法務局へ申請となるから、
2週間くらい手続き完了まで、かかってしまう。

依頼者から、そんなに時間がかかるのかと、言われた。
おまけに、登録免許税が、9万円もかかる。
中小企業では、登録免許税といえば、役員変更の1万円が
頭にあるので、9万円かかりますと申し上げると、
えっ、そんなにかかるのかと、言われてしまう。

そこへ、当然わたしの報酬をお願いすることになる。
免許税より報酬のほうが、金額が低いながらも、
またまた、依頼者の顔が曇る。
ああ、辛い、辛い。